お客様へのホスピタリティを意識している企業は多くありますが
3方向のホスピタリティを大切にしている企業はまだまだ少ないように感じます。
今回は部下から上司へのホスピタリティの事例をお伝えします。
こんにちは。
株式会社ハピネスワーク 青柳美智代です。
多くの企業で研修を担当させていただいていますが
研修に行くと必ずといって良いほど
同じ質問をされます。
それは
「なぜディズニーは
全キャストが笑顔で働いているんですか?」
ということです。
それは…
3方向のホスピタリティがあるからです。
20年間勤務した後、他の企業で働いた経験と
多くの企業で研修を担当させて頂きながら
それは想像から確信に変わりました。
ホスピタリティとは
サービスの原点…ホスピタリティとは
思いやり、心遣い、親切心、心からの歓待
わかりやすくひと言で表現すると
「人やモノを大切に想う気持ち」です。
ホスピタリティはお客様だけに必要なことではなく
職場の仲間
自分自身にも必要で
大切なものです。
3方向のホスピタリティが必要な理由は
こちらをご覧ください
↓
https://happinesswork.co.jp/disney-hospitality%ef%bd%b0myself/
部下から上司に贈るホスピタリティ
上司なんだから何でもできて当り前!
まだ20代だった頃
そんな勘違いをしていました。
大事なのはそこじゃない…と
気づいたのは
オリエンタルランドで
フード本部の教育を担当するようになって
3年ほど経った頃です。
教育の経験がなく
人前で話すことも得意ではない…
という人が上司になったのです。
えーそれじゃぁ教育のことって
誰に相談すればいいの?…と想いつつ
実際は3年ほど経験していましたし
アトラクションや
商品部の教育担当者とも
仲が良く頻繁に情報交換をしていたので
上司が経験不足でも
その人たちに相談すればいい…
そう想っていたのです。
でもそれは間違いでした。
きっと聴いてもわからない…なんて
決めつけてはいけなかったのです。
その上司は
経験がないからこそ
私の想像を超えた
ユニークで
スケールの大きいアイデアを
沢山もっていました。
教育の経験がないとは言っても
上司は私よりもスケールの大きい仕事
米国のディズニーにも何度も
出張に行っているのですから
いろいろな事を体験していたのです。
もう1つ良いことがありました。
教育の経験がないとは言え
上司の承認がなければ出来ないことも
多かったので
なぜコレが必要なのか…
やりたい理由を
教育経験のない上司に伝えるために
内容も説明の仕方も工夫しなければ
ならなかったのです。
同じ経験があれば
すぐに共感してもらえることを
経験の無い人が共感できるようにする。
教育担当として
話し方のテクニックを磨くチャンスに
なったのです。
教育の経験がないだけで
チームをまとめること
私たちの気持ちを掴むことが
得意だった上司のおかげで
あっという間に
私たちのチームワークは
パワーアップしました。
仕事以外の時間も
みんなで過ごすことが多くなり
そこから研修のアイデアを
得ることもできました。
上司だからといって
必ずしも
その担当業務の経験が豊富な人が
抜擢されるわけではありません。
大切なのは経験があるかないか…より
前向きに取組む気持ちと
遠慮しないで
意見を言ってもらえるようになること…
きっと驚くような意見を
言ってくれると想いますよ。
上司が苦手なことは進んでサポートしよう!
フード本部の教育担当は
当時キャストから管理職まで…
約5000名の教育を担当していました。
毎日のように
新規キャストやベテランキャスト
社員の教育をおこなっていましたが
当然ながら
仕事はそれだけではありません。
研修を開催する時に
必ず発信する
研修参加依頼文書
これはいつも
上司が作成してくれました。
新しい上司もきっと作成してくれる…と
想っていたのですが
入力作業ができず
上司が手書きで作成した文書を
入力して欲しいと頼まれたのです。
作成しているうちに
あることに気づきました。
もしかして
文書作成は…
あまり得意じゃない?
誤字脱字が多いし
表現も???と感じる部分が
いくつもあったのです。
無断で修正してはいけないと想い
「これは○○に修正してもいいですか?」と聴くと
おかしいと想ったところは
青柳さんの判断で直して打っといて…
とのこと。
昔の私なら
えー!それでいいの?と
疑問に想ったかも知れません。
でもその時はそんな風に想わず
「それなら私が得意になろう!」と想いました。
そして
帰りに文書作成のテキストを買って
勉強し始めたのです。
それからは
上司の代わりに大体の内容を聴いたら
私が文書を作成するようになりました。
そのおかげで
上司が取組もうとしている業務を
どの教育担当より先に知ることが
できるようになったのです。
上司だから文書を作成できなくちゃいけない…
苦手なことがあってはいけない…
そんなルールはどこにもありません。
それに…
上司には上司にしかできない
もっと大事な役割があるのです。
上司が創ってくれた最高の環境
その上司は文書を作成することは
得意ではありませんでしたが
交渉ごとは得意でした。
部門を超えた依頼事項
本部内の調整
そういう交渉は
あっという間に整えてくれましたし
そのおかげで
私たち教育担当は安心して
仕事を進めることができました。
上司の思い切ったアイデアで
教育担当の存在が大きくなり
パークの社員とも
人間関係が深くなり
思う存分教育ができる環境になりました。
私たちとのコミュニケーションも
いつも大事にしてくれました。
仕事振りを見るために
研修にも頻繁に参加してくれて
そのたびに
恥ずかしくなるくらい
褒めてくれました。
何度も…何度も…
つい…
上司が自分よりできないっことがあると
馬鹿にしてしまったり
がっかりしてしまうことがあるかも知れませんが
完璧な上司なんて滅多にいないはず…。
チームというのは
上司も含めて
お互いに助け合っていくものだと感じます。
仲間の中には
上司も含まれているのです。
苦手なことがあったら
がっかりしたり
馬鹿にしてしまうより
サポートしてあげましょう。
身につけたことは
必ず後々役に立ちます!
最後に
私もニューヨークデリという
200名程のチームの責任者を担当したことがありますが
随分仲間に助けていただきました。
それを恥ずかしいと想ったことは一度もありません。
大変な想いをしているときに
いつもそっと手を差し伸べてくれた仲間に
心から感謝しています。